この間、数学の問題を書いてみましたが、そのとき思いついた数学の問題の小説風のボツアイデア。
ある日、俺は死んだ。そして、天に召される。
――ああ、俺死んだんだな。13日の金曜日になんか出歩くんじゃなかったな。
と、昇天の途中、俺が後悔していると、唐突に声が聴こえてきた。
「お帰りなさい」
俺は驚きその声のした方を見た。そこには、日本人風の美しい女性が浮かんでいた。
「あ、あなたは?」
俺は、彼女のそのあまりの美しさに戸惑い、緊張しながら尋ねた。
「わたしは、天使です。あなたを天へ導く役を仰せつかっております」
――天使、とは言い得て妙だ。透き通るように美しく、それでいて可愛らしさも感じさせる容姿を持つ彼女にはピッタリだ。声は抑揚に欠けながらも、とても綺麗で、女優のようだ。
――やはり天使には美しい女性が多いのだろうか。
「いえ、この姿や声はあくまであなたの理想に合わせてあります。本来は人の姿ですらないのです」
この天使さんは心まで読めてしまうようだ。
「違いますよ。あなたは今、魂だけの姿です。なので、あなたにとって心で想うことと話すことは同じなのです」
「ああ、そうか俺は死んでたんだな」
つい、忘れてしまっていた。生きていたときと変わらず考えることが出来るため、あまり死んだという実感がわかない。
「ん? あれ?」
俺はここで、先ほどまで後悔していた自分の死因を思い出せないことに気がついた。
「それは当然です。現に今あなたは、自分の名前すら思い出せないはずです」
俺は思わずはっとした。本当に名前すら思い出せない。それどころか、自分がどんな顔だったかもだ。
「でも、俺はまだ自分が人間であったことを覚えてる。それに言葉だって話せてる」
「それらが知識だからです。昇天の際に思い出の記憶が消え、転生の際に知識の記憶が消えるのです」
「つまり、俺は生まれ変われるんですね?」
「いえ、ここからが大事な話なのです。もし、天国に行けたならはそこで一万日を過ごしたのちにまた地上に生まれ変われることが出来ます。しかし、地獄に行けば、一万日の拷問ののちに悪魔たちの餌になります」
――後者は、何があってもいやだ。
「でしょうね。天国か地獄かは基本的に閻魔様がお決めになられるのですが、稀に決めかねることがあります。それがあなたです」
――半端者か。今となっては忘却の彼方だが、生きていた頃も半端だった気がする。半端な人生だった気がする。
「つまりそれは、俺はどちらにも行かないってことですか?」
「それは違います。死んだものは必ず天国か地獄に逝くことになります」
――つまり、どういうことだ。
「あなたには選択が可能なのです」
「つまり、天国か地獄か選べるんですね。じゃあ、天国に逝きます。逝かせてください」
俺が早口に言うと、天使は少し困ったような顔をした。
「そこなのですが、選択といっても、あみだくじのようなものでして……」
俺は言われた意味を考えた。
「つまり、どちらに辿り着くかは分からないと……」
――当然だった。もし、そんな選択が出来たなら、誰も地獄なんぞを選んだりはしない。
「そこで、ルールがあるんです。この先、天に昇ってゆくと、分かれ道が現れます。片方は天国への道で、他方は地獄への道です」
「それは、見分けがつかないのですか?」
「残念ながら」
俺は別にこの答えには気落ちはしなかった。そんなことは元から知れていた。
「ですが、その代わり、分かれ道には1人ずつ案内人がいて、その案内人はその先が天国か地獄かを知っています。あなたは、案内人のどちらかにイエスかノーで答えられる質問が可能です」
それなら、簡単な話だ。この道が天国への道か訊けばいいだけだ。
「いえ、そんな単純ではありません。その案内人は天使と悪魔が1人ずつ務めているのです。見た目は全く同じで、天使と悪魔が天国と地獄の道どちらに立っているかは分かりません」
「天使の案内人と、悪魔の案内人で何が違うの?」
「それを、今から言おうと思ってました。天使の案内人は本当のことしか言わず、悪魔の案内人は嘘のことしか言いません」
「なるほど。ところで、あなたは答えを知らないんですか?」
「知りません」
「あなたが話したことはどこまで信じていいんですか?」
「あなたは、信じるしかありません。信じて質問を考えるしかないですよ」
言われてみれはそうだ。彼女の言うことを信じない限り、俺には考えることは出来ない。
「納得していただけたようですね」
彼女は微笑んだ。その微笑はとても美しかった。
「では、もし上手くいったら、また転生のときにお会いしましょう」
――本当にもう一度会いたいものだ。
そして、俺は分かれ道に向かって昇天し続けた。
まあ、読めばこれをボツにした理由は分かると思います。
何が問題だかわからない。ついでに、適当に書いたため、駄作ですし(笑)
なんだかんだで、主人公の一人称が「俺」の作品はこれが初になります。
まあ、読めばこれをボツにした理由は分かると思います。
何が問題だかわからない。ついでに、適当に書いたため、駄作ですし(笑)
なんだかんだで、主人公の一人称が「俺」の作品はこれが初になります。
まあ、機会があれば、またショートショート、次は数学の問題じゃないのを、投稿しようかと思いますので、期待せずに待っていて下さい。
そして、最後にまことどうでもいいことなのだが、やなぎなぎのアルバム、エウアルの中に、恋愛サーキュレーションが入っているのですが、やなぎなぎの歌声は恋愛サーキュレーションには大人びていて、違和感が……思うに、恋愛サーキュレーションは花澤香菜じゃないと……
そして、最後にまことどうでもいいことなのだが、やなぎなぎのアルバム、エウアルの中に、恋愛サーキュレーションが入っているのですが、やなぎなぎの歌声は恋愛サーキュレーションには大人びていて、違和感が……思うに、恋愛サーキュレーションは花澤香菜じゃないと……
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