2013年7月7日日曜日

飛行機事故の恐怖

技術がどれだけ発展し、毎日乗っても400年に1回しか事故を起こさないと言われている飛行機。とはいえ、やはり事故に遭遇する確立がゼロになったわけではなく、誰がいつ事故にあうかは分かりません。

実際に、今朝のニュースでも、アメリカ・サンフランシスコ国際空港で、韓国の首都ソウルの仁川(インチョン)国際空港発のアシアナ航空214便、ボーイング777型機(乗員乗客307人)が着陸に失敗し炎上、乗客2人が死亡する事故がありました。

ボーイング777そのものが比較的新しい機体で、今回の事故を含めても、これまで3回しか、機体の破損につながる事故を起こしておらず、しかも今回が初めての死亡事故になりました。

1995年の運航開始から2008年にロンドン・ヒースロー国際空港で不時着事故を起こすまで、13年間無事故を記録。このときは燃料系統で水分が凍結して根詰まりを起こしたのが原因でした。

2011年にはエジプト・カイロ国際空港でコックピットから出火し焼失する事故がありました。

そして今日、着陸に失敗して炎上する事故を起こしました。

最新鋭機をも墜落させてしまう要因として挙げられるのは、以下の通りです。
  1. パイロットの操縦ミス
  2. 飛行中・離着陸時の悪天候
  3. 整備士の整備ミス
  4. 管制官の誘導ミス
  5. 機体の構造的欠陥
  6. ハイジャックやテロ
事故原因の大半を占めているのは、パイロットの操縦ミス。航空事故が専門の機関の調査では全体の37パーセント、航空機メーカーのボーイングの調査では全体の55パーセントを操縦ミスが占めます。

飛行中・離着陸時の悪天候は、どのようなものかというと、飛行中に乱気流に遭遇したり落雷を受けたりした場合、離陸や着陸時に強風・強雨・降雪・濃霧などの視界不良が原因で結果的に死者が出たり墜落したりした場合のことです。日本では2009年3月に発生した成田空港でフェデックスのマクダネルダグラスMD-11貨物機が着陸に失敗した事故でも、強風が一因とされています。

次に整備士の整備ミス。1985年8月に日本航空123便が御巣鷹山に墜落した事故でも、接触事故で破損した機体後部の修理に問題があり、一度塞いだ穴が再び開いてしまい、そこから機内の与圧が漏れ、垂直尾翼を内側から弾き飛ばした結果、墜落につながったとされています。

管制官の誘導ミスは、日本では2001年1月に駿河湾上空で発生した、日本航空機同士のニアミス事故が有名です。航空機には空中衝突を回避するシステムがあり、パイロットはそれを信用しようとしましたが、管制官がそれとは反する衝突コースを指示したため、衝突直前まで衝突コースで飛び続け、回避しようとした航空機で多数のけが人を出しました。先日の裁判によって、管制官は禁固刑に処されています。

機体の構造的欠陥。ボーイング787のトラブルはこれにあたるでしょう。電気系統がショートし、断熱材も効果を発揮せず、結果的にバッテリーが炭になってしまいました。1949年に作られた世界初のジェット旅客機「コメット」も、構造的欠陥が原因で、機体がゆがみやすい設計になっていて、何度も与圧されてゆがんだ後に空中分解する事故が多発しました。それによって、今の航空機の技術には、このときの失敗が活かされています。

ハイジャックやテロは、最近のテロ対策の強化によってほとんど起きていませんが、2001年のアメリカ同時多発テロまで、ハイジャックは日本国内でも起きていたほどです。

それぞれの事故原因に共通点を挙げるとすれば、いずれも「ヒューマンエラー」だということです。空を飛びたい願望のあまりに、飛行機を作り出したのは人間です。事故が起こるとすれば、それは人間が原因なのです。人間の力量にも限界があるということを認識していただけたらと思います。

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